お年玉で、おこづかい体験

激しくなる、正月用の「おせち商戦」のなかで、ホテルのおせちが好調だそうですね。 家でおせちを作ることも少なくなったということもあると思いますが、ホテルメイドは種類も豊富で、数量も多く、なによりも安心感という意味でも有利なのかもしれません。 おせち料理に代表されるようなお正月の過ごし方も、ずいぶんと変化してきたように感じます。

 

おせち料理には、新年のお祝いと保存食というふたつの意味があると思いますが、私なんかが子どもの頃に教えられた、「おせち料理の意味」なんかも子どもたちへ伝えていきたいもののひとつですね。 マメに働く「黒豆」、子孫繁栄の「数の子」、豊作を願う「田作り」、よろこぶの「昆布巻き」、お煮しめも、子宝の「里芋」、先を見通す「れんこん」、大きな芽がでる「くわい」などなど、不思議と今でも忘れないものです。 正直、子ども向けのメニューではありませんから、カマボコやハム、出し巻きなどを中心に食べていたように思いますが、今と違い、昔はどこのお店も三が日は休みでしたし、お雑煮、おせち、焼き餅、お菓子の繰り返しで、夜は鍋といった感じでした。 初詣のあと、たこあげやコマ回しなど、外で遊ぶ以外は、家のなかでずっとテレビを見ながら、家族全員でダラダラしていましたね。

お雑煮

祖父母の家に集まって、いとこまで含めて三世代でお泊り、なんていうのも住まいの様式が変わったおかげで、都会ではなかなか難しい時代かもしれません。 テレビの前に布団を敷き詰めて、みんなで雑魚寝、深夜までテレビもつけっぱなしで、ダラダラと……。 これも大切なコミュニケーションだったのかもしれませんね。

 

あと、お正月といえば、「お年玉」です。 私が活動しているNPO法人では、「金銭教育プログラム」のなかで、親子おこづかいゲームを中心に、月額のおこづかい制度を推奨していますが、まだ少し早いかな?という家庭では、お年玉をつかっておこづかい制の試運転をしてみるというのはいかがでしょうか。

 

せっかくもらったお年玉、「何に使いたい?」という話題から始まり、「どんなことまで使ってもよいか」という約束をしたうえで、あとは子どもに任せてみる。 実際にどんな使い方をしたのか報告をすることや、お金の管理についてのルールを決めたら、それ以上はあれこれと口出しをしない。 最初は、子どもの新たな一面を知ることができたりして、楽しい発見があるかもしれませんよ。 自分で考えてお金を使うことは、「とても大切な」小さな失敗を経験できることにつながります。 お金に興味を持ちはじめたら、一度、試してみてはいかがでしょうか。