消費税率引き上げの影響はこれからが本番、家計で考えておきたいこと

4月から消費税が8%に上がってから1ヵ月が経過、ゴールデンウイークも過ぎてなんとなく落ち着いてきたところでしょうか。 私も、仕事で使っていたPCがXP機だったので、全部を入れ替えるため3月末からしばらくは慌ただしくしていました。 大学に進学した子どものPCも買う必要があったのですが、ちょっと落ち着いてからゆっくり選びたかったので注文したのは今月に入ってからです。 スーパーやコンビニの店頭での価格表示にはまだ慣れないところもありますが、皆さんはいかがでしょうか。

総務省統計局の家計調査速報(2人以上の世帯)によると、2014年3月の消費支出は前年同月比実質7.2%増、前月比(季節調整値)実質10.8%増となる一方で、勤労者世帯の実収入は前年同月比で実質3.3%の減少となったようです。 今後は、この収支のギャップを埋めることができるのか注目されますね。 消費税率引き上げによる駆け込み需要が見られた主な品目としては、やはり大型家電や家具、それに通学定期代などが目立ったようです。 その他にも、長期保存できる日用品・消耗品などについては、「買い置き」で少しでも家計のためにという行動が幅広く見られたようです。

(参考)総務省統計局家計調査(二人以上の世帯)平成26年3月分速報

 

ライフプラン

経済界にとっても消費税率引き上げによる駆け込み需要と、その後の反動減について注目されていますが、それは家計にとっても同じことですね。 もちろん意味は違ってきますが、家計支出が普段とは違う一時的支出増とその後の支出減になり、しばらくの間は増税の影響を実感しにくいのではないでしょうか。 また、落ち着いてきたとしても、このままの経済環境であれば来年(2015年)の10月には、さらに消費税率は10%への引き上げが予定されています。 消費税率引き上げがわが家の家計にどの程度のインパクトがあるのか……。 実際の影響度はこれからはっきりしてくることですが、来年の再引き上げに備える意味でも、この機会に、家計全体の把握を考えておきたいところですね。

もう一度、家計簿をつけることもいいのですが、「家計簿まではちょっと……」という人も、「1ヵ月に使ったお金」と、「1年間に使ったお金」、つまり家計の支出総額くらいは把握しておくようにしましょうね。 「家計に入ってきたお金」と「家計から出ていったお金」、そして「家計に残ったお金」、それぞれの総額を把握するだけでも家計運営に効果がありますよ。

 

人生設計にも、家計の裏づけが必要です

 

消費税増税直前!?「ささやかな抵抗」も正しい行動

いよいよ消費税増税の第一弾が来月(2014年4月)に迫ってきました。 昨年までは、住宅や自動車購入は消費税増税前か、後か……、という議論が多かったように思いますが、すでに3月にはいった今となっては、より現実的というか、誰にでも関係する話題が中心になってきているような気がします。

  • 以前から買う予定にしていた高価なモノを、前倒しで購入する
  • 買う予定にはしていなかったが、よく考えてみれば必要なのでこの機会に購入する

というような、「当たり前の行動」が、基本的なスタンスとしては正解ではないでしょうか。

  • せっかくだから、なかなか購入に踏み切れなかったアレも…
  • ついでだから、アレも買っちゃおうか…

というのは、便乗購入?のような感じですから、あとで後悔しなくてもいいようにしたいものです。 ま、「消費税増税が背中を押してくれてよかった」というのであればハッピーですが。(笑)

家計分析

 

昨年10月の記事にも書きましたが……

これから買おうとしているモノが、「必要なモノ」なのか「欲しいモノ」かを考えるクセをつけておくことも大切です。 たまには「ムダ遣い」もストレス解消に効果を発揮することもあるかもしれませんが。(汗)

さて、大型家電や何かの記念に高価なモノを…、という予定もない人は、消費税増税を控えてどのようにすればいいのでしょうか。

「ささやかな抵抗として、日用品を買いだめしてやろう」

これも正解です。

買ったところでたいした金額にはならない。 ということもありますが、それ自体がムダになることではありませんし、それこそ「せめてもの抵抗」ということでいいのではないでしょうか。

人によりますが、買いだめしたために、かえって気持ちが大きくなって、普段よりも消費するペースが早くなってしまう……、というケースも考えられますが、それくらいはいいじゃないですか。 私の場合、アルコールがそのケースに該当しそうですが。(笑)

日頃から、家計のやり繰りがたいへんで、消費税の増税のインパクトが心配だという家計では、もう一度、家計全体を幅広く見直してみるきっかけになります。 わが家のライフスタイルを考えてみて、支出項目にメリハリをつけた家計管理を大切にしたいものですね。

 

家計の不安には、ライフプランを考えることから始める

 

1年間に、いくらお金が貯まったの?

もうすぐ確定申告のシーズンです。 せっかく家計簿をつけている人も、1年間の決算をしてみないともったいないですよね。 家計レベルでは、確定申告ではありませんから簡単にでも1年間の家計全体を把握できればそれでいいと思います。

(1)1年間の現金収入-(2)1年間の現金支出=(3)1年間の貯蓄額

(1)の現金収入ですが、例えば給与天引きの財形貯蓄などは、収入に入れてくださいね。 一度、家計に収入として入ってきて、貯蓄したと(つまり、支出しなかった)いうイメージです。 1年間の手取り収入は、このように考えてくださいね。

(2)の現金支出はわかりやすいです。 例えば、クレジットカードなどはどうするのか、ここでは細かいこだわりは不要です。「買い物をした日」か、 「銀行口座からの引き落としの日」か、どちらかにに決めておいて集計すればいいですね。 あと、給与天引きの保険料などの場合には、いったん収入として家計に入ってきてから保険料として支出したことになります。

さて、問題は、(3)の年間貯蓄額です。 (1)と(2)の計算から導きだされた金額と、実際の通帳残高などを比較してみて誤差はどれくらいですか?(誤差があることが前提になっていますが)(笑)

運用商品などがあって、時価が変動している場合は時価総額の推移を考慮する必要がありますが、単純に預貯金しかない場合には、誤差の大小によって、収入と支出の金額をもう一度洗い直してみる必要があります。 1円単位まで細かく追求する必要まではありませんよ。(汗)

 

年間家計

1年間の手取り収入が、500万円。 支出総額のうち、住宅ローンの年間返済額は100万円。 まだ子どもは小さくて学校へ納める授業料などを考えなくてもいい場合、年間の収入から住宅ローンの返済額を引くと……

500万円-100万円=400万円

となりますが、1年間に100万円の貯蓄ができていれば、住宅ローンの返済以外に使ったお金は300万円となり、月々にすると25万円ですね。

50万円の貯蓄であれば、使ったおは年間で350万円、月々約29万円ということです。

もし、同じ条件で、「貯蓄なんて全然できていないよ~」ということなら、1年間に使ったお金はそのまま400万円ですから、月々にすると約33.3万円になります。 1年間に、いくらぐらいで生活しているのか、月々に直すとだいたいいくらくらいなのか……。 予算とまではいかなくても、だいたいの目標設定はできていますか? そして、決算とまではいかなくても、だいたいの結果は把握できていますか? 実は簡単な、「年間単位の家計を把握すること」って、将来の家計について考える場合にも、大切なことなんですよ。

もちろん、具体的な貯蓄目標があるなら、月々だいたいいくらぐらい、年間でだいたいいくらぐらいで家計をやり繰りする必要があるのか、簡単に逆算できますよね。

 

家計に関するご相談は、年間家計を把握することから

 

 

消費税増税で、「必要なモノ」と「欲しいモノ」についてもう一度考えてみる

自動車や大型家電など、「そろそろ買い替えないといけないかも」と準備しているものは、どこの家庭でもたくさんあると思います。 子どもの金銭教育には、「必要なモノ」と「欲しいモノ」との違い、という考え方がよく登場しますが、それは大人の家計管理でも同じです。 「必要なモノ」については、必要になる時期と、必要になる金額を見積もっておくことが大切です。 ところが、予想外に早くその時期が来てしまったり、思ったよりも高額になってしまったりということもよくある話しですね。 大型家電については、「ひとつ故障すると、次々に……」という経験をおもちの人も多いと思いますし、「急な出費が続いて痛いな」というのが典型的なパターンでしょうか。

少額でも積み重なると

 

さて、2014年4月には消費税の税率が上がります。 かねてから心積もりしていた「例のモノ」を、前倒しで購入するのかどうか……。 単純に考えれば税率アップの前に購入するのがお得ですし、「よし!ここはわが家も経済に貢献しよう!」ということで構わないわけです。 ところが、住宅取得に関しては、住宅ローン減税の大幅拡充だけではなく、「すまい給付金」という新しい支援策も登場しています。 また、自動車に関しては、自動車取得税や重量税の軽減や廃止といったことが予測されています。 結局、「増税前か、増税後か、どっちか得なんだ」という判断も難しいことになりましたね。(汗)

 

ま、ここはシンプルに、「どうせ必要なモノだから、増税前に買っておこうか」という判断でいいと思います。 買おうと思ったら、早く手に入れたいというのが「人情」というものです。

 

消費税が最初に導入されたのは、1989年のことでした(税率3%)。 その後、5%に税率を引き上げたのは1997年です。 私たちの生活にとっても身近な消費税ですが、久しぶりに税率アップが決まったことをきっかけに、わが家の消費行動を見直してみる良い機会ではないでしょうか。

 

「必要なモノ」は、本当に必要なモノなのか。

「必要なモノ」に、欲しいレベルの装備やオプションは付属していないか。

「必要なモノ」だが、購入時期はもっと先でもよくないか。

 

なんとなく、このように並べてしまうと、「ガマン」を強いられているような印象がありますが、ほかにも、まだまだありますよね。 「欲しいと思っているモノが、実は必要なモノじゃないか」というパターンもありそうです。「欲しいモノ」をガマンして、「必要なモノ」を確実に手に入れることは大切ですが、「欲しいモノ」だって、たくさん手に入れたいですから、そのために普段の家計管理を意識しておきたいものですね。

 

 わが家の価値観はライフプラン相談で

 

 

年間単位の家計を把握する

「1年間にいくらのお金が入ってきて、いくら出ていきましたか?」という質問に、自信をもって即答できる人は意外に少ないものです。

会社員の人であれば、給与天引きの財形貯蓄や持ち株会と、生命保険料や従業員組合費などの違いについても、「いったん現金として入ってきて、それぞれの費目で支出した」というように整理して考える必要があります。 もちろん、財形や持ち株会は現金として家計から出ていったわけではありませんから、月々の積み立て貯蓄と同じように「出ていったお金」には入らないわでです。

(収入)給与収入の年間支給額から税金や社会保険料などを差し引いた手取り金額、つまり家計に入ってきた金額

(支出)使ったお金、つまり家計から出ていった金額

(貯蓄)収入から支出を差し引いた金額、つまり家計に残った金額

1年間の(収入)(支出)(貯蓄)、それぞれの金額についておおまかにでも把握できていますか?

「家計簿をつける目的」がはっきりしていて、継続できれば大きな誤差は避けられるようになるはずです。 毎月の支出額は一定ではありませんから、多少のデコボコはありますが、1年間のトータルで金額を把握しておくことは大切です。

 

年間いくら?

食費や水道光熱費、家賃や住宅ローン、子どもの教育費まで含めて、「1ヶ月に全部でいくら」使っているのか、合計金額を考えたことはありますか? 月々30万円だとすると、年間360万円になるはずです。 ところが、年払いの支出があったり、臨時の交際費があったりと、年間で合計すると考えているよりも金額が増えてしまうこともよくあります。

 

日々、月々の細かい支出ごと、家計簿レベルの目線以外に、1年間の家計支出全体を幅広く見渡してみて、「1年間に入ってきたお金と出て行ったお金、そして残ったお金、全部でいくら」という視点で家計を見ることができると、長期的な家計の将来についての予測がしやすくなります。 本当です。(笑)

 

ライフプランシミュレーション、家計のキャッシュフロー分析を用いた長期的な家計分析には、年間単位の現金収支を把握することが必要です。 その結果、「家計管理の目安」を手に入れることができますから、収入の増減や予想外の支出増などにも冷静に対応することができるようになります。 ちょっとしたことでお金に振り回されることのないように、「こうしていれば、わが家はだいたい大丈夫」という「ものさし」があれば安心です。

 

ライフプランラボ一番のお勧めメニューは、ライフプラン相談です

 

 

家計簿をつける目的

「給料日前になると、いつもお金が足りないな~」「なかなか思うように貯蓄ができなくて」「せっかくのボーナスも、月々の補填でなくなってしまう」という状態が続くと……

「いったい、お金はどこに消えたの?」

というように、家計簿をつける動機付けになりますね。

家計簿は、家計の現状を把握するための必須アイテムです。 私は、家計簿の専門家でも、節約の専門家でもありませんが、長い間、家計相談を経験するなかで感じる、家計簿の目的とか使い方についての持論を少し書いてみたいと思います。

 

家計簿をはじめてつけてみて、「あ、明らかに電気代がかかりすぎ!」というように、すぐに問題点が見つかることってほとんど無いと思います。 費目によっては季節ごとの特徴もありますし、まずは数年続けてみないといけないようですね。 「何度かチャレンジしているけど、なかなか続かなくて」という人は、少し肩の力を抜いて、最初から完璧を求めるのではなく、続けられる範囲で始めてみたほうが良さそうです。

家計のチェック

 

●現金の残高が合わなくても、細かいところまでは気にしない

●何に使ったのかわからないものは、使途不明金でまとめて深追いしない

●費目の分け方に迷うなら、最初は少ない費目で

というように、ゆる~い運用でも構わないと思いますよ、まずは続けることが大切です。

家計簿をつける目的は、なんでしたか? 頑張って続けているうちに、家計簿をつけることが目的になっていませんか? 家計のムダを見つけたい、節約したい、貯蓄したい、という目的があったはずですが、家計簿をつけることを頑張りすぎて、そんな目的を見失ってしまうこともあるかもしれませんね。

 

冒頭に、「家計簿をつけるのは、家計の現状を把握するため」と書きましたが、せっかくつけた家計簿ですから、予算を立てるところまでは応用したいものです。

予算を立てることが、「自分らしいお金の使い方」につながります。

費目ごとに毎月の支出金額の予算を決めるわけですね。 ただし、たとえば1ヶ月1万円を節約したい場合に、「10費目について一律千円カット」とかも難しいと思います。 家計の現状について広く見直してみて、自分にとっての優先順位を考えてみてください。 「この支出を削るくらいなら、こっちは別にいいや」というように、大切にしたい支出を守るためにどうするのかというイメージです。

 

あと、余裕があれば……、ですが……

「予備費」の費目を作っておいて、急な支出に備えておくというのも効果的です。 超短期的な貯蓄のようなものですね。 年度末になって、「使わなくてもよかったね」となれば、ご褒美に買い物をするのか、貯蓄に回すのかは自由です。

 

月末になって、家計簿上と実際の現金残高に大きな誤差がなくなって、決めた予算の範囲内でだいたい支出が収まるようになれば、家計簿から卒業するのは構わないと思います。 概ね、家計の傾向について頭の中で考えていることと、現実の収支が近くなれば、家計のやり繰りも楽しくなってくると思いますよ。

 

ライフプラン相談も家計の現状分析から始まります