頭金なしの住宅ローンは無謀なの?

「頭金なしでも住宅ローンを借りることができます」というのはよくみかけます。 「頭金なしの住宅ローンは危険です」というのも同じで、よくみかけますよね。 結論から書いてしまうと、「頭金だけの問題ではない」ということになります。 もちろん、いろいろな条件というか家計によってさまざまな前提条件がありますから、一概に決めつけるわけにもいきません。 長期間にわたる住宅ローンの返済です。 危険かどうかというのは、頭金だけではなく、結局は、借入金額の問題でしょう。

賃貸住居に住みながら、つまり、家賃を支払いながら住宅購入に向けてコツコツと計画的に頭金を貯めることができた世帯であれば、それだけ家計管理の実績という面からも住宅ローンの返済について安心感があります。 もちろん、貯蓄の目的は頭金を貯めるためだけではありません。 子どもがいれば教育費、その他にもさまざまなライフイベント、そしてもっと先には老後の生活設計が控えています。 住まいにかかる費用としては、住宅ローンの返済額はもちろん、他にも維持費や修繕費の準備などもあります。 住宅購入時に、そうした費用を見積もっていくわけですが、上手に家計をコントロールできている世帯のほうが、いろいろな面で安心感があるのは当然ですよね。

一方で、頭金が十分に準備できていないから、住宅購入はまだ早いということでもありません。 頭金がしっかりと貯まるまで時間をかけられないという場合だってあります。 住宅購入に対する準備に十分な時間をかけられなかったのかもしれませんが、実際に住宅購入をきっかけにして、将来の家計管理も合わせてしっかりとした返済計画をもとに購入金額を考えればいいわけです。

住宅ローン試算

購入する物件が決まったとき、頭金が少なければ、それだけ住宅ローンの借入金額が増える、その分、返済額が増え、利息負担も増えるというだけであって、頭金のない住宅ローン自体が悪いわけではありません。 頭金がしっかりと準備できていても、返済が苦しくなる家計だってたくさんありますから。

無謀な住宅ローンというのは、「頭金」の問題ではなく、そもそも長期的な家計、家族のライフプランという裏づけから大きく逸脱してしまうような「借入金額」ということになります。 住まいを手に入れるという夢や希望も大切なことですが、他にもたくさんあるライフイベントとのバランスやプライオリティも考慮しながら、わが家らしい暮らしを実現することも大事にしたいですね。

 

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